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マミコゴト

店長ブログ

日常

2024年9月14日。

〈山の本屋の日常〉

 

9月13日(金)昨日のことです。

 

店近くにお住まいの方が

83年の生涯を終えられたのをお昼に教えて頂きました。

訃報はいつも突然です。

 

私の知るかぎり、

集落の読者仲間と 読みあいっこするほど、

紀伊半島の山合いについて書かれた宇江敏勝さんの本好き、古墳好き。

風景画をたしなみ、交通安全協会のボランティアも長年勤められた。

晩年は携帯で写真をとったり、パズルにいそしんで…

そして、愛妻家だった。

 

もう以前のことです。

たまたま、

当店へ県内在住作家である

宇江敏勝さんが店へお見えになられたことがあって

「宇江さんが来られてるんよ!」と、私が家まで走って声をかけにいくと、

ささっと店まで駆けつけた。

 

店内に2冊しかなかった

新宿書房発行の宇江さんの本を手にして

「わし、こい買うわ。先生、サインしてくれるかい?」と

その場で、サインをして頂くという行動にでてくれた。

 

本屋としては、ありがたかった…。

 

その数日後、または 折りにふれては

当時を思い出して

「あの時、うちの家内と言うたんやけどない。

なんと作家さんの文字て、個性があるんやなぁ……

絵かいてるみたいやと思たよ、くっく」と、

子どものように笑ったものでした。

 

ご自宅へお悔やみにいくと、

あの世への土産にそのサイン本も納棺したと

娘さんが言われました。

 

過疎化に歯止めがかからない当地で

「美山は、ここの平(たいら)は、

ええとこやなぁ… こんなええとこ、ないど~」

散歩の途中で空を見上げて、いつも前向きに、語っていました。

 

そんな時代に、こんな場所で

と言われる本屋を認めてくださった方でした。

今日、空の 奥さんの元へ旅立たれます。

 

深い感謝をこめて

 

ご冥福をお祈りします。

 

 

 

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